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【ディップ様】従来の約3分の1の期間でサイト公開が実現。記事公開までの期間も1か月→翌日に短縮

microCMS編集部

求人情報サービス「バイトル」「はたらこねっと」、スポットのバイトサービス「スポットバイトル」などを展開するディップ株式会社。同社は2024年6月からmicroCMSの導入をスタートし、同年10月、“働く”にまつわるさまざまな情報を発信する新たなオウンドメディア「はたらこマガジン」を立ち上げました。
 
今回お話を伺ったのは、マーケティング統括部 コンテンツ企画部の大溝 美有紀さんと、大橋 聡さん。そして、商品開発本部 システム統括部の堀江 真悟さん、金子 凌大さん、瀬戸 裕介さんの5名です。microCMS導入の背景や利用状況、今後の展望について詳しくお聞きしました。
 

導入の背景:ユーザーとの接点を増やすためのオウンドメディア構築

microCMSを導入した背景を教えてください。

 
-大溝さん
「はたらこねっと」は多くのユーザーに仕事を探す際にご利用いただいています。本サービスを運営していく中でさらにユーザーとの日常的な接点を増やしたいという思いがありました。そこで、オウンドメディアを立ち上げることにしたのです。
 
メディアの立ち上げにあたっては、2024年3月頃からmicroCMSを含む複数のサービスを比較しながら検討を進めていきました。2ヶ月ほどの検討期間を経て、5月に開発チームにmicroCMSの導入を相談した流れです。
 
その後、2024年6月に正式にmicroCMSと契約し、約3か月半の開発期間を経て、2024年10月に「はたらこマガジン」をリリースしました。

microCMSを選んだ決め手はなんだったのでしょうか?

 
-大溝さん
弊社ではマーケティング施策のスピードが非常に速く、迅速に展開しなければならない場面が多々あります。そのため、開発スピードの面でヘッドレスCMSを導入したいという思いがあったんです。
 
ヘッドレスCMSを選定する際には、まず国内の企業に絞って比較検討を行いました。その中で、社内開発の場合のコストやカスタマイズ性の高さ、開発ベンダーの多さなどを考慮して、最終的にmicroCMSを導入することに決めました。具体的な要件定義は、開発チームにお願いした形です。
 
過去に別のCMSでサイトリニューアルを行った際は、開発に1年近くかかったんです。しかし、今回は約3か月半という、とても早い開発スピードで公開できました。この3か月半という開発期間については、私の方から開発チームに無理を承知でお願いしたのですが、実現してくださったので大変感謝しています。スピード感に関しては、社内の各部署からも高い評価をいただきましたね。
 
-堀江さん
開発期間については、自分の中でもかなりチャレンジではありました。しかし逆に、この状況の中でも精度の高いものを実現しつつ、チームの実績としてしっかりと作り上げたいという気持ちで、モチベーション高く進めていくことができました。
 
短期間での開発ということでかなり工夫が必要ではありましたが、開発チームのメンバーをはじめマーケティング統括部の皆さんや、microCMSのサポートの方々の協力もあって、結果的にいい形で着地できたと思っています。 

活用の状況:トップページと記事制作にmicroCMSを利用。効率化の工夫も

現在はmicroCMSをどのように利用されていますか?

 
-大橋さん
現在、microCMSは「はたらこマガジン」のトップページと、記事の詳細ページに使用しています。実際にCMSを操作しているのは、契約している外部のパートナー編集者さんや、私を含めた社内の編集メンバーの計4名です。
 
記事制作の流れとしては、まずパートナー編集者の方がWordで作成した原稿を、ファイル共有ツール内に保管します。その後、私を含めた社内メンバーがそのファイルをGoogleドキュメントで開いて、変更履歴を残しながら編集を加えます。そして完成した記事をmicroCMSに入稿する形をとっています。
 
入稿の方式としては、制作の効率化のため、記事の各要素をパーツ単位で管理しております。見出し、本文、表、リンクなどを個別のパーツとして登録(カスタムフィールド)し、それらを組み合わせる(繰り返しフィールド)ことで記事を構成しています。

 microCMSのレビュー機能を活用するワークフローも検討はしているものの、短期間でのリリースだったこともあり、現時点ではそこまで活用しきれていません。理想としては、microCMS上ですべての編集作業を完結させたいので、今後利用を検討したいと考えています。

技術構成と、開発において大変だった点について教えてください。

 
-金子さん
フレームワークについては、チーム内にNext.jsの知見があったことから、スムーズに開発を進められると判断し、Next.jsを採用しました。
 
インフラにはAWS Amplifyを採用しています。当初は基盤を1から構築する案もありましたが、今回の開発要件として、開発期間が3か月半と短い点、そしてフロントエンドチームのみで進めるという点がありました。これまでインフラを深く触った経験のないフロントエンドチームが、できるだけ素早くインフラを構築できるプラットフォーム、という観点からAWS Amplifyを選びました。
 
-堀江さん
設計段階では、それほど大きな苦労はなかったですね。microCMSの繰り返しフィールド、カスタムフィールド、コンテンツ参照の機能が非常に強力で、この3つの機能でほとんどの要件を問題なく実現できました。
 
ただ、はたらこマガジンのカテゴリ構造は現在3階層ですが、将来的には5階層まで拡張する想定になっています。しかし、microCMSのコンテンツ参照機能は3階層までの対応となっているため、その制約をどう乗り越えるかという課題がありました。
 
そこで、microCMSのサポートチームに相談したところ、「こういうAPI設計にすれば解決できるのでは」と具体的なアドバイスをいただきました。適宜サポートの方と連携しながら設計を進めることができたので、非常に助かりました。

▲各カテゴリごとに個別でAPIを作成、各コンテンツごとに親カテゴリとなるコンテンツを参照することでカテゴリ同士の関連性を表現 

microCMSのサポートチームの皆さんは、全員開発経験があるとのことで、設計に関する相談にも対応してもらえたのがとてもありがたかったです。細かいニュアンスまで伝わるという安心感があり、これはやはり日本製のサービスならではの強みだと感じました。
 
-大橋さん
サポートに関しては、対応スピードの速さもありがたかったです。社内のミーティング中に「ここはどうしようか?」と議論になったとき、microCMSのサポートチャットに問い合わせたら、そのミーティング中に回答が返ってきたことがあり、驚きました。対応のスピード感は素晴らしいなと思います。
 
-瀬戸さん
開発時には、ドキュメントの読みやすさも非常に助かりました。技術ブログなども体系的にまとまっていて、大体の疑問はドキュメントを見れば解決できる印象でした。特に、各フィールドの型情報が詳しく記載されていたので、それを参考にしながら返り値の型を事前に作成しておくことができ、スムーズに開発を進められました。ドキュメントが日本語で書かれている点もありがたかったですね。
 

導入の効果:編集チーム主体の運用で業務効率と公開スピードが向上 

導入してから、microCMSの良さは感じられましたか?

 
-大溝さん
別のCMSを使っている自社のメディアでは、自由度の高いデザインを実現するために一部コーディングが必要になるケースが発生しており、デザイナーが記事作成にも関わるような状況になっています。
 
一方、microCMSに関しては、コーディングの知識なしである程度自由にレイアウトやデザインを調整できるので、はたらこマガジンは編集チームだけで記事制作を完結できています。デザイナーのリソースを別の作業に割り当てられるので、業務の効率化や人的コストの削減にもつながっていると感じています。 
 
-大橋さん
編集チームだけで運用が完結できるようになったことで、原稿が校了してから記事の公開までのスピードが劇的に向上しました。これまではデザイナーのリソースが不足している時期だと、校了から公開までに1か月ほどかかることもありました。
 
しかし、microCMSを導入したことで、今日仕上がった原稿を明日公開しよう、といったスピード感で進められるようになりました。記事制作の流れが大幅に改善され、より柔軟にコンテンツを公開できるようになったと感じています。

アプリ化の構想と、さらなる業務効率化を推進していく

microCMSに期待していることはありますか?

 
-堀江さん
個人的に期待しているのは、全文検索の精度向上ですね。現在の全文検索APIでは、関連性の低い記事が表示されることがある点が気になっています。今後、全文検索APIの精度が向上することを期待しています。

また、ボリュームが大きいレスポンスでは、APIプレビューでも実装に必要なプロパティを探すのに手間がかかったので、プロパティ毎にアコーディオンで開閉でき、必要なものだけ表示できるような機能があると嬉しいと思います。
 
-金子さん
今回はTypeScriptで開発を進めましたが、microCMSの提供するSDKではデフォルトのフィールドの型参照はできるものの、追加したカスタムフィールドの型はすべて手動で定義する必要がありました。APIを作成したら、その型を自動で生成してくれるような機能があれば、より便利に使えるのではないかと思っています。
 
-大橋さん
現在、記事制作の一部に生成AIを活用していまして、生成AIが出力した文章をWordにコピペして編集し、最終的に人間が仕上げるというフローになっています。この作業をmicroCMS内で完結できるようになれば、さらに効率が上がると思います。
 
例えば、microCMS内でChatGPTのAPIを呼び出し、出力された文章を変更履歴が残るような形でそのまま編集できて、文字装飾を加えて公開、という流れにできれば、より便利になると感じています。
 

microCMSの今後の活用計画はありますか?

 
-大溝さん
現在、はたらこマガジンはウェブ上でコンテンツを配信していますが、将来的にはそのデータを活用してアプリでもコンテンツ配信したいという構想もあります。
 
他の自社メディアでは、コンテンツをアプリに埋め込む際にかなり苦労したことがありました。その点、microCMSはアプリ化をより簡単に実現できるツールとしても有用だと考え、導入を決めた背景もあります。
 
今回の導入を通じて、microCMSが非常に構築しやすく、使いやすいという事例が一つできました。社内の別の部署からも「microCMSってどう?」と関心を持たれることもありますし、はたらこマガジン以外でも、microCMSを活用できそうな領域はあるのではないかと感じます。
 
今後もmicroCMSを活用して業務の効率化を進めながら、より価値のあるコンテンツをユーザーに提供できるよう取り組んでいきたいと考えています。
 
取材協力:エディット合同会社(ライター:中村英里 撮影 :関口佳代)

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