この度、WordPressからmicroCMSへのコンテンツ移行を支援するAgent Skill「microcms-wordpress-migration」を公開しました!
WordPressから別のCMSへ移行する際には、既存コンテンツの構造調査や移行先のスキーマ設計、データ変換・登録など、さまざまな作業が必要になります。
今回公開したSkillを利用することで、これらの作業をAIエージェントと対話しながら進められるようになります。
本記事では、WordPressからの移行Skillの概要や導入方法、基本的な使い方、利用時の注意点についてご紹介します。
WordPressからの移行Skillとは
WordPressからの移行Skillは、WordPressからmicroCMSへのコンテンツ移行を支援するAgent Skillです。
Agent Skillsとは、AIエージェントに特定の作業を実行するための手順や知識を提供する仕組みです。あらかじめ用意された手順に沿って、AIエージェントが作業を進められるようになります。
microCMSでは、これまでもmicroCMSのドキュメントを参照できるSkillなどを公開してきました。今回は、CMS移行に特化したSkillを新たに追加しました。
本Skillでは、移行元の調査からmicroCMSのスキーマ設計、コンテンツの登録、移行後の検証まで、一連の作業をサポートします。
ただし、すべての移行作業を完全に自動化するものではありません。移行元のデータ構造や要件に応じて、利用者が移行計画やスキーマ設計を確認し、必要に応じて個別の対応を行いながら、段階的に移行を進める仕組みです。
WordPressからの移行Skillでできること
本Skillでは、主に以下の作業を支援します。
1. 移行元のデータ構造を調査する
WordPressからエクスポートしたデータをもとに、投稿タイプやカスタムフィールド、カテゴリー、メディアなどの構造を調査します。
Gutenbergやクラシックエディタ、ACF(Advanced Custom Fields)・SCF(Secure Custom Fields)などのカスタムフィールドについても、データ構造を確認しながら移行方法を検討できます。
2. microCMSのスキーマを設計する
WordPressのデータ構造をもとに、microCMSのAPIやフィールド構成を提案します。
例えば、WordPressの投稿をmicroCMSのリスト形式APIに対応させたり、カテゴリーを別のAPIとして管理したりするなど、移行先の構造を検討できます。
設計内容は移行計画書(plan.md)としてまとめられ、利用者が確認・承認したうえで次の作業に進みます。
3. コンテンツやメディアを移行する
移行計画に基づいて、プロジェクトごとの移行スクリプトを作成します。
WordPressのデータをmicroCMSで利用できる形式に変換し、コンテンツや画像などのメディアを登録します。
本文に含まれるHTMLや画像URLの変換にも対応しており、変換できないデータがあった場合は、その内容と理由を記録します。
4. 移行結果を検証する
移行後は、移行元と移行先のコンテンツ件数やデータの整合性などを確認します。
また、移行できなかったコンテンツや手動での修正が必要な項目を整理し、レポートとして出力します。
旧URLと新URLの対応表も作成できるため、移行後のリダイレクト設定などに活用できます。
※リダイレクトの設定自体は本Skillの対象外です。
導入方法
ここからは、WordPressからの移行Skillを利用するための準備について説明します。
1. Skillをインストールする
インストール方法は、以下のページを参考にしてください。
https://github.com/microcmsio/skills#インストール
例えばCodexで利用する場合は、以下のコマンドを実行してください。
npx skills add microcmsio/skills --skill microcms-wordpress-migration --agent codexインストール後は、AIエージェントがSkillを参照できる状態になっていることを確認してください。
2. WordPressのデータを準備する
続いて、移行元となるWordPressのデータを準備します。
基本的には、以下の2つを用意します。
WordPressのエクスポートファイル(WXR)
WordPressの管理画面から「ツール → エクスポート」を開き、「すべてのコンテンツ」を選択してエクスポートします。

メディアファイル(wp-content/uploads)
画像やPDFなどのメディアファイルは、通常、WordPressの wp-content/uploads ディレクトリに保存されています。
サーバーのファイルマネージャーやFTP・SFTPなどを利用して取得してください。
なお、WordPress.comや外部ストレージを利用している場合など、メディアの保存方法によっては別の取得方法が必要になります。
また、プラグインの独自テーブルやオプションページの設定値など、WXRに含まれないデータについては追加の調査が必要です。
3. microCMSのサービスを準備する
移行先となるmicroCMSのサービスを用意します。
コンテンツの登録などを行う際には、microCMSのAPIキーが必要です。移行作業専用のAPIキーを発行し、必要な権限のみを設定することをおすすめします。
APIキーなどの認証情報は、.env などの環境変数で管理し、AIエージェントとの会話やソースコードに直接記載しないようにしてください。また、AIエージェントの利用環境によっては、会話履歴やログが保存される場合があるため、機密情報の取り扱いにもご注意ください。
なお、WordPressのデータをローカルで調査する段階では、microCMSのAPIキーやmicroCMS MCPへの接続は不要です。
実際に使ってみる
それでは、WordPressからの移行Skillを使ってコンテンツ移行を進める流れを見てみましょう。
今回は、WordPressで管理していたブログ記事をmicroCMSへ移行するケースを想定します。
1. AIエージェントに移行を依頼する
Skillを導入したAIエージェントに、次のように依頼します。
WordPressからmicroCMSへブログ記事を移行したいです。
microcms-wordpress-migration Skillを使って、移行元のデータを調査し、移行計画を作成してください。
各データは以下に配置してあります:
- WXR: input/wordpress.xml
- メディア: input/uploads/
- 接続情報: .env.localまずはデータの調査とスキーマ設計まで進めてください。
用意したWXRファイルやメディアファイルを参照できる状態にしておくことで、AIエージェントがデータ構造の調査を進めます。
2. 移行計画を確認する
調査結果をもとに、AIエージェントが移行計画書を作成します。
移行計画書には、移行対象のコンテンツ件数や、WordPressとmicroCMSのフィールド対応表、移行時の変換ルールなどがまとめられます。
例えば、WordPressの投稿タイトルをmicroCMSのテキストフィールドに、本文をリッチエディタフィールドに対応させるといった設計を検討できます。
この段階で、移行対象やフィールド構成に問題がないかを確認します。

3. コンテンツを移行する
移行計画を承認したら、実際のデータ登録に進みます。
本Skillでは、最初からすべてのコンテンツを登録するのではなく、テスト用のサービスや少量のコンテンツ(3〜5件程度)で移行を試すことを推奨しています。
変換後のデータが正しく登録されているか、本文や画像が意図した形式になっているかを確認してから、全件の移行に進みます。
4. 移行結果を確認する
移行が完了すると、AIエージェントが検証結果をレポートにまとめます。
移行元と移行先の件数や、変換できなかったデータ、手動で修正が必要な項目などを確認できます。
問題が見つかった場合も、記録された内容をもとに修正や再実行を検討できます。

このように、AIエージェントと対話しながら、移行前の調査から移行後の確認まで進めることができます。
利用時の注意点
WordPressからの移行Skillを利用する際は、以下の点にご注意ください。
すべての移行作業が自動化されるわけではありません
本Skillは、AIエージェントによる移行作業の支援を目的としています。
移行元の構造や要件によっては、データの取得方法や変換ルールを個別に検討する必要があります。
また、スキーマ設計や本番環境への書き込みなど、重要な操作については利用者による確認・承認を挟む設計になっています。
WordPressのテーマやフロントエンドの移行は対象外です
本Skillが対象とするのは、主にコンテンツやメディアの移行です。
WordPressのテーマ、テンプレート、CSSなどの移植や、新しいWebサイトのフロントエンド実装は対象外となります。
microCMSを利用したNext.jsサイトの構築については、別途公開しているSkill「microcms-nextjs 」もご活用ください。
プラグインや独自カスタマイズには個別対応が必要な場合があります
WordPressでは、プラグインやテーマによって独自のデータ構造が利用されている場合があります。
例えば、独自テーブルに保存されたデータや、ショートコードによって動的に生成されるコンテンツなどは、標準的なエクスポートファイルだけでは移行できない場合があります。
本Skillでは、こうしたデータを調査し、移行方法を検討することを支援しますが、すべてのプラグインやカスタマイズへの対応を保証するものではありません。
microCMSの料金プランやAPIの制限を確認してください
移行先のmicroCMSサービスでは、契約プランに応じて利用できるAPI数やコンテンツ数などに制限があります。
移行前に、登録予定のコンテンツ数やメディアの容量などを確認し、利用中のプランの範囲内で移行できるかをご確認ください。
また、大量のコンテンツを登録する場合は、APIのリクエスト制限などにも注意が必要です。
本番環境への移行は慎重に進めてください
既存のコンテンツが登録されているサービスへ移行する場合は、データの上書きやIDの重複などに注意が必要です。
まずは検証用サービスなどで少量のコンテンツを移行し、結果を確認したうえで本番環境への登録を進めることをおすすめします。
また、移行元データのバックアップを取得しておき、移行中にエラーが発生した場合は、登録済みデータやエラー内容を確認してから再実行してください。
まとめ
今回は、WordPressからmicroCMSへのコンテンツ移行を支援するAgent Skillをご紹介しました。
CMSの移行では、データ構造の把握やスキーマ設計、コンテンツの変換・登録、移行結果の確認など、多くの作業が発生します。
WordPressからの移行Skillを利用することで、これらの作業をAIエージェントと対話しながら段階的に進めることができます。
WordPressからmicroCMSへの移行を検討している方は、ぜひお試しください!