今回はディスカバリー・ジャパン菊井様と、サイトリニューアルの制作を担当されたmicroCMSパートナーのトルク本田様に、オンラインで導入事例インタビューをお受けいただきました。
御社の事業内容を教えてください
- ディスカバリー・ジャパン 菊井さん
ディスカバリー・ジャパンはディスカバリーグループの日本法人です。1985年に米国でディスカバリーチャンネルの放送を開始して以来、現在220以上の国と地域、約50言語にて展開しているグローバルのメディアブランドになります。
ディスカバリーは、リアルライフ・エンターテインメントと呼んでいて、簡単に言うとドキュメンタリーの世界有数のノン・フィクションメディア企業です。
日本国内においては、テレビでは1997年より「ディスカバリーチャンネル」、2000年より「アニマルプラネット」のCS放送の2つのチャンネルを持っており、YouTubeでは6チャンネルを展開をしております。
ご担当業務を教えてください
- ディスカバリー・ジャパン 菊井さん
私が所属するCreative Labチームは、ディスカバリー・ジャパンが持つメディアの知見を生かし、クライアントへのマーケティングソリューションを提供しています。メンバーは、映像制作プロデューサーが2名、プランナーが3名と私の6名で構成され、私はそのヘッドの役割を担っています。
動画制作及びその動画をディスカバリー・ジャパンのメディアのネットワークを使った配信のプランニング、さらにはそれに付随する日本国内や海外のデジタル広告のバイイングやイベントの制作など、クライアントに対して幅広いソリューションを提供しております。
microCMS導入のきっかけはなんですか?
- ディスカバリー・ジャパン 菊井さん
導入のきっかけとなったのは、制作会社であるトルクの本田さんから推奨していただいたことです。それまでmicroCMSの名前は聞いたことがあったものの、詳しくは知りませんでした。
以前のサイトは、番組表を見ていただく方を中心に設計されていて、私が広告業界出身ということもあり、広告メニューを盛り込んだメディアサイトを作りたいと考えたことが発端でリニューアルを行うことになりました。当然、既存の番組表の部分はディスカバリー・ジャパンのメディアにとって非常に重要であることは前提に、リニューアルではそこに新たな売り物となる、全面のディスプレイ広告やバナー枠を設けたいと考えていました。
以前本田さんと仕事をご一緒した際に、非常にスムーズにサイト制作を進めていただいたので、今回のリニューアルプロジェクトが決まったときも真っ先に本田さんにご相談をしました。
- トルク 本田さん
リニューアルする前のサイトは、WordPressを使ったモノリスな仕組みになっていました。サーバーの構成的にも、オートスケールさせたり、データベースのメンテナンスが必要になったりと、メンテナンスコストやランニングコストが結構重荷になることが課題としてありました。
今回のリニューアルではそういった課題を解決するために、ヘッドレスCMSの導入を検討し始めました。ヘッドレスCMSの中で、海外製のものがいくつかと国内製のmicroCMSが候補にあがりました。
過去の開発で、海外製のヘッドレスCMSはいくつか使ったことがあり、その際に英語のインターフェースやサポートも英語のみという面が大変だった経験があり、運用面を考えた際に、社内の開発メンバーとお客様の複数人が更新に携わるため、その部分は懸念材料としてありました。ただ、今回のディスカバリー・ジャパンさんに関しては外資系企業のため、言語的なところの課題はそこまで大きくはありませんでした。
最終的にmicroCMSを選んだ理由は、限られたスケジュールの中で開発をスムーズに進めるという観点で総合的に鑑みて、microCMSがいいのではと考えたからです。そこで、microCMSを推奨させていただき、菊井さんにご快諾いただきました。
結果的に、2021年3月にお声がけいただいて7月頭には公開と、スピーディー進めることができました。
microCMSをどのような用途でお使いですか?
- ディスカバリー・ジャパン 菊井さん
「ディスカバリー・チャンネル」の下記の部分は全て、microCMSで更新・管理しています。
- TOPページを開いた際、6時間に1回画面全面に表示されるインタースティシャル広告
- キービジュアルのスライドショー部分
- ページ内のバナー広告枠部分
- そのほか、番組表を含む更新が必要なコンテンツは全て
microCMSを導入してみて、どのような変化がありましたか?
- ディスカバリー・ジャパン 菊井さん
一番の変化は運用コストが半分になったことです。サイトの月間アクセス数が約20〜30万PVと比較的大規模な構成となっているため、ロードバランシングのためにサーバーを複数台用意するコストが割とかかっていました。今回、microCMSを採用したことで、以前利用していたAWSサーバーが不要になったのが大きいと思います。
また、リニューアル前はメディア一本だったため、サイト上に売り物が全くありませんでしたが、リニューアル後はバナー枠などさまざまな売り枠ができて、リニューアルしたのはたった3ヶ月前ですが既に貢献できています。
- トルク 本田さん
菊井さんが仰る通り、サーバーレスによるコスト削減効果が非常に大きかったと思っています。microCMSを導入したことで、ロードバランシングが不要になり、コストとして結構重荷になっていたAmazon RDSが不要になりました。
また、サイトのホスティング自体もNetlifyを採用したことでホスティングもサーバーレスになり、結果的にコストが半分になりました。
microCMSを導入するまではWordPressを利用していましたが、サーバーは2台構成でAmazon RDSでマルチAZ配置を行い、さらにステージング環境も別途用意していました。
さらに、microCMSを導入するタイミングでちょうどステージング機能がリリースされたことで、ステージング完了も一本化され、環境が全て1カ所にオールインワンで管理できるようになり、コスト削減効果のインパクトとしてかなり大きかったですね。
また、microCMSはサポート対応が素晴らしく、ものすごいスピードで即レスしていただることにもいつも驚愕しています(笑)
実際の運用での使い心地はいかがですか?
- ディスカバリー・ジャパン 菊井さん
私自身は更新作業はしていませんが、社内ではマーケティング担当者とプランニング担当者の合計4人が、実際に記事のアップや番組表のスケジュールの更新・運用作業を行なっています。担当者からは、管理画面が使いづらいという話は一度も聞いたことはないですね。
- トルク 本田さん
我々からは導入時に1度、簡単に管理画面の使い方をレクチャーさせていただきましたが、特に仰々しいマニュアルみたいなものを用意する必要はなく、その後もスムーズに更新を行っていただいています。
少し技術面のお話をすると、Jamstack構成でフロントエンドはEleventyで実装しています。サイトで使用している画像は、基本的には全てmicroCMSにホスティングしています。データ転送量にも全く問題なく使えているので、トラフィックはまだまだこれから増やしていこうと考えています。
今回、フロントエンドをGatsby.jsやNext.jsなどを使わずにEleventyを選んだのは、速度面を重視したためです。Eleventyは、JavaScriptの余計なコードがあまりなく、その分軽量になるという特徴があります。また、トップページの実装から先に進めたため、その部分をReact等に組み込むと工数がかかるものの、Eleventyだと1日で取り込めたといった経緯もあります。
課題としては、EleventyにはGatsby.jsやNext.jsのような差分だけをビルドしてくれる仕組みがないため、ビルドの部分のプレビューを見るための時間がかかってしまうことで、改善策を模索中です。
今後microCMSに期待してることはありますか?
- トルク 本田さん
ステージング環境は、新機能をリリースする前にお客様であるディスカバリー・ジャパンさんに確認いただく際に利用していますが、なくてはならない機能です。
今後期待しているのは、ステージングにリリースした内容をそのまま本番のほうにもシームレスにリリースできるようになると、さらにいいですね。UIも本当に迷うことがなく分かりやすくて、速さやCDMの機能など全体的に非常に満足しているので、あるとしたらそれぐらいかな、という感じですね。
あとは、ディスカバリー・ジャパンさんのような外資系のグローバル企業の場合、社員の方に外国人の方がいらっしゃいますので、管理画面を多言語化できる機能もあればなお嬉しいですね。
今後の活用計画はありますか?
- ディスカバリー・ジャパン 菊井さん
引き続き広告のメニューを作っていこうと考えています。また、今後プログラマティックな共同広告みたいなものも検討したいですね。
今回のメディアリニューアルでは、マーケティングやメディア出身ではなく、広告業界出身である私が携わるという部分に意味を持たせていきたいと考えています。今後も、クライアントさんからの御要望も伺いながら、我々のメディアの一つとして、パワーアップしながらトラブルのないように活用していきたいと考えています。
- トルク 本田さん
microCMSの画像配信の機能は、そこだけを切り出しても売れるのではと思うぐらいの高性能だと感じています。今後、この画像配信の強みを生かして、さまざまな展開ができたら面白いことができそうだと思うので、アイデアが固まったら随時菊井さんにご相談していこうとも考えています。
おわりに
今回は、ディスカバリー・ジャパン様と、リニューアルの制作を担当されたmicroCMSパートナーのトルク様にお話を伺いました。
メディアにおける広告メニューの拡大やリニューアルにおけるコストの削減やスピーディーな開発の裏側など、microCMSを活用したメディアリニューアルお話を詳しく伺うことができました。
ディスカバリー・ジャパン菊井さん、トルク本田さん、ありがとうございました!
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