東京ガス株式会社が運営する暮らし情報メディア「ウチコト(UCHICOTO)」は、2016年に開設以来、主に仕事や家事・子育てに忙しい30～40代女性向けに、家事の効率化等を通じてより良い暮らしが実現できるよう、暮らしに役立つ情報をお届けしています。

2023年2月リニューアルが行われ、コンテンツ管理にmicroCMSが導入されました。
今回は、「ウチコト」の運営に携わるCX推進部マーケティング担当の松本様に、導入経緯や導入後の変化についてお話を伺いました。

導入の決め手：高いセキュリティと優れたコストパフォーマンス

導入前に抱えていた課題を教えてください。

2016年にメディアを立ち上げる際、最新の技術を活用してスクラッチでCMSを開発しました。しかし、時間とともにシステムの老朽化により、コンテンツ管理やデザインの変更がシステムに依存し、スムーズに実行できないことや、サイトの表示速度が遅いといった課題が発生していました。改修も検討しましたが、高額なコストがかかることから、新しいCMSへの移行を検討し始めました。

導入の決め手を教えてください。

マーケティング対応力の強さ、改修のしやすさ、そしてカスタマイズ性を兼ね備えたCMSを探している中で、いくつかのCMSを比較した結果、セキュリティ対策が整いつつコストパフォーマンスに優れているmicroCMSが最適だと判断しました。

また、カスタマーサポートの方とお話した時に手厚くサポートしてくれたことで、開発をスムーズに進めていけそうだと感じたことも選択の決め手の1つとなりました。

API連携が簡単に行えるため、開発作業もスムーズに進行

microCMSをどこでご利用いただいていますか？

東京ガスの暮らし情報メディア「ウチコト」のトップページのスライダー画像や記事など、サイト内のあらゆるコンテンツ管理に利用しています。

「ウチコト」は季節に合わせた情報提供が特徴で、例えば梅雨の時期には湿気対策の記事を前面に出すなどしています。そのような時期ごとのコンテンツの切り替え作業もスムーズに行えており、効果的にPRが行えています。

（画像：東京ガス 暮らし情報メディア「ウチコト」のトップページ）

さらに、GoogleアナリティクスAPIと連携させて、そのデータを用いてランキングを作成しています。microCMSを利用することでAPI連携が簡単に行えるため、開発作業もスムーズに進行しました。有料のランキングツールを使用すると、月額数百万円の費用が発生する場合もありますが、高額な費用を掛けずにランキングを表示できています。

（画像：東京ガス 暮らし情報メディア「ウチコト」のランキング表示イメージ）
（参考記事：「Google Analyticsを使って人気記事を取得しmicroCMSに連携する」）

導入の効果：サイトの表示速度が向上、運用工数も大幅に削減

使ってみてmicroCMSの良さは感じられましたか？

「ウチコト」はSEOに重きを置くメディアのため、ページの表示速度の向上はとても価値のある結果になりました。制作を担当したニュートラルワークス様によるGoogleが提供している表示速度計測ツール「Google PageSpeed Insights」のスコア比較も実施いただき、表示速度の改善が明確に確認できました。

リニューアル前後のGoogle PageSpeed Insightsスコア比較

（画像：ニュートラルワークス様ご提供）

リニューアル前

リニューアル後

以下、ニュートラルワークスCTO稲森様よりコメント

スマートフォンユーザーが9割を占めることから、画像の最適化や遅延読み込みに対応した結果、転送量が削減できています。

リニューアル前：ファーストビューの画像合計 3MB・ページ全体の画像合計 3MB・ページ全体の合計 5.5MB
リニューアル後：ファーストビューの画像合計 50KB・ページ全体の画像合計 650KB・ページ全体の合計 2.3MB

さらに、Next.jsでの実装により画面遷移が迅速になったことで、ユーザーの体感的な変化も大きかったと感じています。

（参考記事：「Googleの検索アルゴリズムに組み込まれたCore Web Vitalsの3つの指標とは？」）


さらに、運用工数も大幅に削減できました。以前は、特定の著者のプロフィール情報を追加する際やサービスに変更が生じた場合に、関連する記事を一つずつ手動で修正する必要がありました。「ウチコト」には約4,000の記事があり、この作業は非常に手間がかかり、修正漏れなどの問題も発生していました。

その点、microCMSではカスタムフィールドや繰り返しフィールドを活用することで、共通パーツ化できて、1箇所を修正するだけで関連記事全体に変更が反映されるようになり、大変助かっています。

また、短期間で多くのマーケティング施策を展開することが多く、共通のサービスバナーをキャンペーンの時期だけ変更することもあります。そのため、一度の修正で該当箇所全体に変更が反映できるようになったことは、非常に良い改善でした。

コンテンツを活用した多角的なマーケティング施策を展開

microCMSの今後の活用計画はありますか？

「ウチコト」では、お客さまが求めている情報を見つけやすいように導線改善に重点を置いたサイト運用を進め、microCMSを活用してPDCAサイクルを回し、数値結果を基にサイトの改善を続けていくことを目指しています。

また、東京ガスのWeb会員サービス「myTOKYOGAS」のコンテンツをより充実させることも目指しています。現在は、ガス・電気の料金や使用量等の確認のために利用されることが多いですが、「ウチコト」のコンテンツを展開し、お客さまのニーズに合わせた情報提供ができるようなサービスにしていきたいと考えています。

さらに、東京ガスの公式WebサイトやSNSでもおすすめの記事を掲載するなど、多角的なマーケティング施策を展開したいと考えています。引き続きmicroCMSを活用しつつ、お客さまにとって有益な情報を提供していきます。

今後microCMSに期待してることはありますか？

全文検索機能がさらに改善されることを期待しています。
検索対象が広範で、関連性の低い記事が表示されることが多かったため、現在は、フィルターのcontainsを利用してタイトル・概要・見出しに検索語が含まれる記事のみ表示するようにしています。ですが、記事全体に対して検索をかけて、特定の単語を含む記事だけを抽出するqパラメータが理想的ではあるので、改善を心待ちにしています。
（参考ドキュメント）

また、良いアイデアがあれば、積極的に活用していきたいので、事例インタビューなど他社がmicroCMSをどのように活用しているかについての情報をもっとたくさん知りたいです。

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貴重なお話をありがとうございました！
引き続き、microCMSをお役立ていただけるよう改善を進めてまいります。

また今回制作をご担当されたニュートラルワークスさまでも、実際の制作過程に関するインタビューを公開されております。こちらの記事とは別目線での内容となっていますので、ぜひご覧ください！