今回は丸亀製麺を代表とする飲食店を経営している株式会社トリドールホールディングス様にインタビューをしました。
執行役員 兼 CIO 兼 CTO 兼 BT本部長の磯村さん、マーケティング部の長井さんにお話を伺いました!
今回の事例ポイント
- 業界内でも特に、商品・事業展開スピードが「速く、多い」ブランド。microCMSを活用し、サイト更新もそのスピードに寄り添うことが可能に。
- 複数部署での権限管理、レビュー体制を構築。チームごとに安全かつ柔軟に運用できるように!
- ヘッドレスCMSを利用することで、静的ホスティングで大量アクセスに強いサイトへ。
御社の事業内容を教えてください。
ー 磯村さん
トリドールホールディングスは、丸亀製麺を代表とする飲食店を経営しており、世界30カ国1,729店舗(2022年6月30日時点)を展開しています。
microCMSの導入箇所を教えてください
ー 長井さん
丸亀製麺のサイトで、店舗ページなどの一部を除き、ほぼ全てで利用しています。
https://jp.marugame.com/
(トップページ)
(商品情報)
(商品詳細、産地やアレルギー情報など他にも様々な箇所でご利用いただいています)
※2022年8月1日時点
microCMS導入以前「サイトの更新の工数と費用がかかってしまっていた」
microCMS導入以前にはどのような課題がありましたか?
ー 長井さん
以前のホームページはCMSが適用されていない箇所が9割だったので、圧倒的に運用、更新が楽になりました。
以前は注釈一つも更新するのが大変でした。
ー 磯村さん
これは推測ですが、CMS更新の費用や工数がかかってしまっていたので、HTMLを直接更新するケースが多かったようですね。CMSを更新するために、以前はシステム運用のセンターに頼んだりもしていました。
microCMSの導入理由「静的ホスティング対応と事業の進化のスピードに寄り添えるCMSを」
microCMSの導入理由を教えてください
ー 磯村さん
うちのサイトはCMSに載せて運用したいとは思っていました。
しかし、CMSに載せるとそれが足枷になり大量のアクセスが受けられないサイトになってしまうことがあるので、良いCMSはないかなと探していました。
S3ホスティング(※Amazon S3に静的なHTMLをホスティングする手法のこと)をやりたいと思っていたので、それを組み合わせられるCMSって何?と考えた時に、最近だとヘッドレスCMSがあるなと。
その中でmicroCMSは日本で作られたCMSということと、SSO対応がされているということで、一択でした。
社内アカウント管理はAzure AD(※Azure Active Directory:社内アカウントを一元管理するツール)で一本化されているので、CMSもそれに乗っかってくれたらと思っていました。
実装はまだですが、今後microCMSアカウントもAzure AD上で管理する予定です。
ー 長井さん
他のCMSも検討しましたが、これしかないなと思ったので、microCMSを推薦しました。
丸亀製麺では、コロナ禍でお客様のニーズにお応えしたいと「丸亀うどん弁当」を発売しました。
これをHPに掲出しようとすると、従来販売している「うどん」とは別に表現する必要がありました。なぜなら、店内喫食商品とお持ち帰り専用商品ではニーズがはっきり異なるためです。
違うカテゴリーのものを掲出するには、当然CMS内に新しいカテゴリーを作る必要がありますが、ブリーフィング、見積、提案、納品、実稼働と、実際にサイトに掲出できるようになるまでの工程および期間が長い。更新を簡易にするはずのシステムが、事業のスピードの足かせになってしまう…そんな歯がゆい状態でした。
打開策を検討していくと、スピード感を持ってページの全てをコントロールできるCMSとしては、microCMSしか該当しませんでした。
権限管理を利用しているが、部署によっては記事公開のスピードが必要
どのようにmicroCMSを利用していますか?
ー 長井さん
産地情報の管轄部署、アレルギー情報の管轄部署、メニュー情報の管轄部署など、複数部署がmicroCMSを利用しています。
それぞれの部署がストレスなく更新できるようコントロールしながら運用しています。
例えばアレルギー情報を更新する部署は、その部署内の情報しか閲覧できないように制限。
これは事故が起こらないようにするためですね。
また、人数の多い部署ではコンテンツ公開権限を利用して、レビュー体制をとることもありますし、
画面プレビューを直接全員で確認して公開することもあるようです。レビューする体制は部署ごとに任せていますね。
ー 磯村さん
作成権限というよりかは、「このページはどの部署が担当する」というようなコンテンツAPIごとの権限を重要視しています。
ー 長井さん
他には公開予約、公開終了予約の機能が役立っています。季節ごとの商品の切り替わりが激しいので、そのコントロールがしやすくなりました。
静的ホスティングで、アクセス増にも耐えうるサイトへ
サイトリニューアルでどのような効果がありましたか?
ー 長井さん
新商品発売の効果か、リニューアルの効果か、microCMSの導入効果かを切り分けずに話しますが、初月UU(※ユニークユーザーの略。Webサイトの訪問者数)は300万人から360万人くらいまで、約20%ほど増加しました。
ー 磯村さん
以前は、地上波などメディアで取り上げられる場合は、事前にサーバーを増強するということをしていました。
「この時間で、この視聴率だから〜」と計算していましたね(笑)。憶測の部分もあったので、過去には何回かサイトが混雑してしまうこともありました。
ー 長井さん
リニューアル後1ヶ月の運用なので、まだなんとも言えないですが、UUが上記のように増加しても、サイトが混雑することはありませんでした。
今後のmicroCMSの活用計画を教えてください
ー 磯村さん
現在は丸亀製麺の日本向けサイトに利用していますが、トリドールホールディングスのコーポレートサイトに適用して、国内の他のブランドサイトのWebサイトにも展開したいと考えています。
また、トリドールホールディングスは「MARUGAME UDON」をはじめ海外事業も行っているので、そちらにも展開して共通のコンテンツはそのまま利用したいなと考えていますね。
microCMSへの要望を教えてください
ー 磯村さん
年内に英語版を出して欲しいですね(笑)管理画面と御社のWebサイトの英語対応が欲しいなと思っています。
あとはコンテンツ側のAPIの多言語対応や、JSONデータを読み込んで自動翻訳などもしてくれたら最高ですね。
ブランドサイトとして考えた時に、APIベースで提供することで国ごとのブランドコントロールが容易になる。丸亀製麺は日本発祥なので、そこから発信した情報を各国ごとにブランドコントロールができるようになるので、良いなと思っています。
ー 長井さん
レビュー機能の使い勝手がさらに良くなることを期待しています。レビュワーを指定しにくいなど、細かいところで要望はありますが、全体としてはとても使いやすいです。
また、権限管理の部分で、用語の定義が不明瞭で説明を読まねばわからないこともあるので、ひと目で分かるようになればいいのになと。そういった細かい部分の改善に期待しています。
株式会社トリドールホールディングスの磯村さん、長井さんありがとうございました!